噛み合わせは顎関節症に密接に関係
顎関節症と噛み合わせ
歯科治療において重要な噛み合わせは、顎関節症にも影響おり、難聴や偏頭痛、悪心といった身体の不調にも影響しているのではないかと考えられてきましたが、21世紀の今も明確なつながりは判明していません。顎関節症でお悩みの患者様の治療を数多く行ってきましたが、顎関節症についても明確な原因がはっきりとしていない以上、今後保険診療から除外される可能性もあります。
歯科の振り回された歴史
歯科医学が振り回された過去の歴史を紹介していきます。まずは、中心感染説と病巣感染説です。中心感染説とは、1932年歯科医師のGoodfriendが発表した説で、噛み合わせの不良から難聴・偏頭痛・悪心といった症状を発症するというものです。その後、Goodfriendの説を後押しするように1934年耳鼻科医Costenが「顎関節異常に由来する全身の諸症状」を発表します。しかし、Costenの説は解剖学者のSicherにより否定されました。病巣感染説とは、細菌感染された歯が原因で2次感染症を起こさせるというものです。
アメリカ歯科医学界ではブリッジやクラウンなどで被せ物をする治療が主流となっており、これが病巣感染説を助長させると一時問題になっていましたが、現在の歯科医療ではブリッジ、クラウンともに主流の治療法なので、これも過去の誤った解釈によるものです。