例えば、保険診療において、このシステムは、もともとは、基本的は15分で、事を処理する事を要求して作られたシステムです。
時代も変わり、歯医者の数も増え、丁寧な治療が要求され、(机上の中で、作る人は、まさに机上の人のように感じることさえあります)30分、患者に対峙しましょう。
保険の制度設計(医療者側を主人公にした解釈です)では、15分で終わらせ、かつ、断続では無く、連続に患者の治療に当たれば、生活が成り立つ仕組みとして作られています。
私どもは、最低限でも拡大鏡、必要な場合、顕微鏡での確認を行って、補綴物の調整や、咬合調整にあたるようにしております。
しかし、15分を基本とした場合、ただ、ガリガリギリギリ、カチカチの方法以外とりようがないのも事実かと思います。
そして、その固定観念が植え付けられた場合、調整法は、それしかないという事にならないでしょうか?
事実、大学教育においても、保険に対応が出来る教育をされて来ますから、実際は、もう少し、レベルアップした調整法も習うとはいえ、現場では、何も変わらないという事になるのかなって思います。
顕微鏡で見る歯の世界では、歯には、いろいろなメッセージが埋め込まれているように思われます。
先に咀嚼性と書いたので、少し、咀嚼性について、軽く触れて、お終いとします。
トン路(スピルウェイ)などと申しまして、言うなれば、食塊が、通ると言われている道ですね。
定義ですと、食物を咀嚼する際に、歯列咬合面から食塊が流れ出る通路の事を言う。などと、表現されています。
この存在は、食塊の咀嚼効率を、上げるのに、大いなる働きがあるので、大事になります。
そういう事を配慮しないでの咬合調整は、やはりどうかなって思ったりもします。
実は、配慮すべき点って、もっともっとたくさんあると思っています。
トン路が無い例は下記の図になります。
溝がべたっとして、意味はなさないと思いませんか?(くだけるかしら?)
もう一つは、溝がある例です。
咬合調整は、気をつけないと、べったーって起こしがちになるかもしれません咬合調整ほど、慎重に事に当たらないといけないものはないのかもしれません。