日本人の顎骨は、先史時代以降縮小傾向が続いております。
これは、食文化の発達による食物の性状変化による、食物摂取に費やす顎骨の機能量の低下が考えられています。
歯ごたえのある食品を避け、味覚や、柔らかさを追い求める現代食が、咀嚼力機能を低下させている可能性が示唆され始めています。
特に、噛めない子、噛まない子の輩出が大きな問題点かもしれません。
興味があれば、徳川将軍家の顔の形を(顎骨を主に)着目してみるといいかもしれません。
こんな実験もあります。
マウスに軟食を与え、継代飼育をし、顎、頭蓋骨成長の影響を検討する実験を行いました。
その結果、練資料で飼育された群では、顎骨は、縮小、咬筋重量の減少が観察されました。
この3項目の縮小は第9世代まで続き、その後は平衡に達しました。
あなたの大事な人、あなた自身は実際、どうでしょうか?
一方、咀嚼機能の減少による咀嚼器官の発育低下様相をより詳細に検討する為、液状飼育をしたマウスでとの比較では、こんな現象の差異が出て来ています。頭部X線規格写真の比較ですが…
液状群は、下顎枝高と筋突起高の発育が低下し、下顎角から下顎切歯歯槽突起までの下顎骨の前後径も小さい。
また、頭蓋骨、頬骨弓、前顔面部などの幅径の発育も遅れ、頭蓋の前後径と垂直的な高さも劣る傾向が認められた。
発育低下が認められた下顎枝、筋突起、下顎角は、いずれも咀嚼刺激の影響を直接受ける場所です。何故でしょうか?
発育低下が認められた頭蓋骨の高さ、幅径、前後径は、歯あるいは、咀嚼筋を介して刺激の影響を間接的に受ける部位になる。何故でしょうか?
難しい話は、さておき、咀嚼する事により、様々な筋活動が起きる事は、歯の位置や、歯並びを整え、歯列を維持する上で、重要という、この事は、頭に良くしまわれて置いてください。