■2013/09/29 線維筋痛症だっけ?これ、現象病名と思う。違うのかな?
昨日に続き、現象について今の自分なりの考察を紹介してみたく思う。
唐突だが、線維筋痛症と言う疾患がある。多分、慢性疼痛とか、疼痛性疾患と言われるグループであれば、変な表現になるけど、キング・オブ・キングになるのかなって、妙に納得する事がある。
でも、この痛みの疾患、これも現象病名と言う側面があるから、結構ややこしく思う。
で、昨日のサイバネティックという概念を用いて思考の旅をすると、何となくこの現象病名の本質に近づけるのかなって、ふっと思う事がある。これは、生物と機械における通信,制御,情報処理の問題を統一的に取り扱う総合科学である。
ところで、口腔という集合体には、咀嚼する能力、発語をする能力、呼吸に関連する能力がある。一方、顎位は頭位の関わり、頚部の位置関係に固有の影響を与える能力がある。この能力の意味を整理する。
時間軸での経過で獲得した結果、環境の影響で獲得した結果、これらを後天的要因とおく。この後天的要因、素質的要因、生得的要因の複合の結果、個人の中に形成されるものとなる。
生得的要因により規定される個人の潜在的可能性を性能、資質と呼ぶ。
これらのいわゆる生命活動に関わる能力が、口腔と言う集合体にはある。このように定義する。
更に、通信、制御、情報処理を下記のような言葉に置き換える。
感覚、反射、運動という言葉にする。
口腔と言う集合体が、上記の目的を達する為に構成されているシステムとする。
この集合体を構成する構造体は、顎関節であり、上顎骨、下顎骨、頭蓋骨等であり舌であり、歯となる。
これらにより構成されるシステムによる結果が、目的に合致した動作となる。
再度、サイバネティクに戻る。対象をある目的を達成するために構成されたシステムとしてとらえる。それはある組織だった構造をもつものであり,その結果は目的に合致した挙動をするものとなる。更に、付与するならば、対象の挙動に注目する場合,対象がどのような物質で構成され,どのようなエネルギーを利用しているかが問題ではなく,情報をどのように伝送し,どのように処理し,その結果を用いてどのように制御しているかが重要となる。
ここで、口腔と言う集合体の話に戻る。口腔と言う集合体が、上記で紹介した目的を達する為に構成されているシステムと捉えた。この集合体を構成する構造体には、顎関節であり、上顎骨、下顎骨、頭蓋骨等であり舌であり、歯となる。
これらにより構成されるシステムによる結果が、目的に合致した動作となる。
例えば、補綴なり、修復物なりを与えたとする。これは、新しい機械的刺激となる。この新しい機械刺激に、感覚系がその影響に適応できない環境下になったとする。この際、反射系はどのような活動をし、筋活動はどうなるのだろう?
例えば、著しく年月と共に、歯列が摩耗を起こした場合、個体としての性能はどう変化を示すのだろう。
それらも現象でしなない。そして、これら現象は、見逃されるのか、あるいは、部分的に捉えられるのか、全体像を捉えるのか、これは、まさに術者に依存する。それが、多分、臨床という現場になる。
痛みもなくなった、社会活動も一線に戻ってきた、でも、油断はできない、そんな個人の感傷を向こうに、もはや線維筋痛症ではなくなった患者の治療はまだ続く。
多分、この患者のゴールは、まさにサイバネティックという科学に基づく、多分、新しいシステム帯の構築なのかなって想像する。
臨床は本当に、難しい。
歯と身体は関係ないという意見がある。これも尊重されるべきと思う。でも、サイバネティクという考え、即ち舵を守るという発想で捉えた場合、咬合とはどういう位置づけになるのだろう。そして、咬合を構成する要素の歯牙を、安易に身体とは関係ないと、切り捨てられるものだろうか?
唯、だからと言って臨床が、医は仁術という精神を忘れている訳ではないとあたし個人は思っている。決して、パロディではないが、医は算術の世界に向かっている訳ではないと思う。
蛇足ながら、仮にシステムいう問題にまで波及しているが故に、現象が次々と現れているとするならば、システムまで関わらないときっと大変な気がする。
コンピューター時代、あるいは、インターネットでの時代と言われて久しい。仮にサイバー攻撃で、社会の舵が壊れた場合、社会が受けるダメージはどれくらいの額や復旧に費やされるのだろう。専門家が、専門知識を駆使して具体的説明をしない限り、素人のあたしには、決して分からないと思う。
そこにこの現象病態の解明の秘密があるのではないかと、ふと、思う事もある。
臨床は、本当に怖いし、難しい。
な、ところで、おしまい。
んじゃ。