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治療に向けて -その3-

治療に向けて -その3-

2014/12/03

話があっちこっちに行きながら、今回を迎えました。そろそろ、この話題については、終止符を打ちたく思います。
上顎に対する下顎の位置という捕らえ方だと、どうなのか?
下顎に対する上顎の位置という捕らえ方だとどうなのか?

確かに、咬合器に、模型をつける場合、上顎法だとか、下顎法なるものも存在しています。でも、なぜ、ボクシングのミットと、グローブの話をしたかになってしまいます。

ミットにグローブは向かうのです。それを、パンチというのです。
グローブにミットが向かえば、滑稽でしょう?

3自由度ではなく、6自由度で行うべきという考え方が存在します。
何じゃらほいとなるかと思います。

少し、話を発展させます。

何を基準に治癒したかを考える必要性が常に、医療者にはあります。
基準という軸点を、0地点とか、0ポイントとか言います。
つまり、Pの検査をして、ここまで治りましたねとか、こういう風に、考えましょうとか、評価という言葉で表されているのかもしれません。

この基準が、事、咬合にはないのが、(正確に言えば、あるようでないことが、あるいは、言い方を変えれば、明確ではないことが)、occlusion is conclusionという、表現になる所以、なのかと考えます。

そこに、中心位という捉え方を、まずは、変えるべきだという解説が、結構、あっちこっちに話が飛ぶ理由になっているのかなって思います。中心位の定義を変えようと言うわけではないのです。その、導入時における、測定法を、ここは、ある基準に対して行っている、そして、その状況を、いろいろな角度で見極めようとしていると、捉えて欲しいのです。

さて、その為には、またまた、角度を変えた表現を重ねていくことになります。
地図の見方、そして、作り方を理解していただこうと、話しているわけですので、必ず、見える話ですので、今は、頭のトレーニングと、修行と、苦行と、ああ眠いと、思っていただいて構いませんので、付いてきてください。

まずは、いつものお約束の3自由度の定義について、触れていきましょう。

顎運動の測定法に使う自由度により、区分けをする。
一個の標点の3次元的位置関係を測定する方法。
この測定法には、私どものところでは、バイオパックという機械がその測定における、関係性を表せます。

例えば、顎運動を如何に投影化して、解析をするのか?標準化は実際のところ、今の段階ではありません。研究者達が、その測定値を導こうと日々研究しているわけです。ここは、また、後から触れなおします。

6自由度という捉え方は、その特徴は、上下顎をそれぞれ、剛体と仮定した場合、上顎に対する下顎の3次元的位置関係を表現できる。また、直接目で見えることの出来ない、歯列上の点や、顆頭部の運動を捉えることが可能である事にある。

この測定は、単純かすれば、コンピューターグラフィックで、立体映像で表現するという言い方が成立するのかもしれません。

この自由度という捉え方は、現在、1~6までがあるという捉え方です。

そして、3自由度は、一言で言えば、点の3次元化、6自由度は、一言言えば、立体的に3平面(矢状面、水平面、前頭面)を投影しようとする考え方になるかと思います。

とするならば、結局、顎位にしろ、中心位にしろ、言葉の定義は存在していても、ただ、あるものになりませんか?

あるから、いいか、悪いか、は別に、明らかに悪いときは分かるということだけになりませんか?

ちょっと、あれれ、となれば、実は、ウフッです。

ちょっと、進化のお話のプリントに戻って、人間って、どんな進化の歴史を辿ったのか、(あくまでも進化ですよ、受験ではないので、俗に言う、歴史は興味があれば、勉強されるといいかと思います)ちょっと、知ってみるといいかもしれません。是非、読まれてください。そんなものかと、分かればいいのかなって思います。私らの、遠いご先祖さんの進化の冒険のお話ですので。そして、昔も、今と同じように(この骨格形態になった時)既に、同じところがおかしかったということが、分かると思いますよ。これは、軽く解説をしますが・・・
そして、タービンという歯科の(疾患に対して、真っ向勝負が出来る道具が生まれ、)当たり前の武器が生まれて、まだ、半世紀です。そうだとすると、そして、現代の問題から(どこか、別の場面で触れているかと思いますのでここでは割愛します)結局、俗に言う、咬合病という物が、表に出ることは致し方ないことだと、私には思えるのです。そして、君たちを含め、多分、真剣にこの疾患と戦う、始めのほうのグループに属する以上、大変な悩みや、果たしてこれでと思う、不安に襲われるのは当然だと思うのです。
この勉強用資料は、私なりのまとめの部分が非常に多いです。ですが、我説ではなく、論文なりを、ただ、分かりやすい、導入編として、まとめているに過ぎないものです。しっかりと、結果を出す為の専門知識を、持っていただくための、プロとして、知っていただくための、プロセスと私は考えています。

ここで、別の角度の検査(機能検査)のお話を入れてみようと思います。

仮に、顎運動において、その固有の能力が、スムーズに運ぶとします。
機能的エラー(異常の)の発見は無いように思われませんか?
仮に、アセスメントから、異常機能(パラファンクション)を見出せなければ、それは、健康ということを暗示しているとなりませんか?あるいは、今は、そこまでは気にすることは無いということになりませんか?

ここなのです。まずは、これを知りたいのです。
今までは、君たちは、ただ、やらせていました。
やれば、感じて興味を持つだろうと。

そろそろ、その、過程は卒業をして良いと考えます。

良いですか?
6自由度にも、たくさん欠点があります。考え方の概念は理想ですが、現実性においては、今は、まだ、発展途上のものです。医学とはそういうものです。基礎研究があり、そして、臨床研究がある。わたしらは、現場の人間です。その発展を待っていても、どこかの映画の台詞です。事件は現場で起きているのだ。

私どもに来院される患者は、まさに、現場なのです。

そうなれば、今分かっている、あるいは、今存在している方法論と、分かっている方法論で物事を、進めていかなければ、どうにもならないと思いませんか?

空想科学では、出来ないのが、現場です。

現状で、分かっていることを正しく、解析しながら、進めていかなければ、何ら発展しないこと、ここをよく理解して欲しいのです。その為、私が選んだ方法が、地図を作るということなのです。

そして、6自由度の実際の欠点、あるいは、弱点は下記の通りです。
1) 基準面の設定によって、投影される運動路が変わる。
2) 運動路の詳細な解析よりも、3平面投影が適している場合がある。
3) 運動路や、それ以外の顎運動に対する表現が、今の段階では、あまりにパラメーターが多いが故に、結局のところ、その患者固有の所まで行き着けない傾向がある。

まだまだあるのでしょうが、こんな感じの理解でいいのではないかと思います。

とすれば、顎位というものもある。中心位というものもある。これが、その固有の人に取り、良いのか悪いのか考えればいいのではないかと、考えればいいのではないかと考える次第なのです。

もし、良ければ、機能性のエラーは、そこには起こらないはずです。
これが、存在していれば、その顎位も、中心位も適正ではない可能性があるということにならないでしょうか?
6自由度で投影しようとする所にフォーカスを与えた、機能試験は何を意味するでしょうか?

別の見方も存在できます。

もし、機能を回復できれば、そのとき、その顎位にしろ、中心位にしろ、適正にあるいう表現をとることが許されないでしょうか?

ちょっとした病気の捉え方です。
とある、芝居の台詞から、ピックアップしました。うろ覚えですので、こんな感じという表現になるかと思います。

例えば、その人が、社会活動をする上で、問題がないと感じていれば、医者の仕事はとりあえず、おしまいと考えるしかないのです。

例えば、その人が、明らかに社会活動をする上で、異常な行動を取ったとしても、それが、誰の迷惑をかけることが無ければ、医者である私は目をつぶればいいと思うのです。
例えば、その人が、社会活動をする上で、自分の状況を問題と考える場合のみ、医者は適正な処置を渡していく必要がある。

だから、アセスメントという表現が、何度も出てくるのです。
だから、治療契約、治療同盟とか、POSの時代という表現が出てくるのです。

さて、今回はここいらで、いったんおしまいにしましょう。

次回は、もう少し、掘り下げたところまで、その考えを理解することにしましょう。

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