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病態の把握について -その4-

病態の把握について -その4-

2014/12/03

前回、如何に地図が大事か、使い方で面白くなるか、すなわち、その地図を組み合わせていくことで、何かが見えると話しをしました。では、実際のところ、関連図と言っておりますが、それを、行う為に、我々は、何を考えていかないと行けないか、そして、そこにどう取り組むべきかを、考えていきたいと考えます。
その前に、何を準備すべきなのかを、考えたいと思います。
一つ、患者が来院したときの、流れを整理していきましょう。

さて、その際、大事なことは、主訴を明確にしていく作業が必要になってきます。
つまり、患者が訴える事を、我々は整理して、聞きだす作業が必要になってくるかと思います。

この方法に、私たちは、色々な問診表、質問表を、持って患者と接するようにしております。聞き出すことと同時に、如何に正しい情報をいただけるか、その為に、改めて色々な事を、書いてもらう必要性があると考えます。

そこから、次の作業が開始します。この際、最低限、レントゲンとP検と、模型があるといいかと思います。保険で取るのですから、ある程度、模型に関してはアバウトで構いません。そこで、データを、ドクターサイドで分析します。ここは、残念ですが、アバウトであることを、徹するしかありません。保険点数では、我々は、模型を丁寧に取れば取るほど、経費倒れになります。しかし、知る事、伝えること、この為には、仮に、ここで、経費倒れになっても、院長である私は、構わないと判断しています。むしろ、必要と感じて、その旨の説明をいくらしても、拒む患者、拒める患者の方が、怖いです。

本題に戻しましょう。
出来れば、P所見は、あなた方のテリトリーにもなるわけですから、プロとして、気付いたことを、合わせてコメントをカルテに書いていただいていると、すごく助かりかます。
次に、アセスメン準備の話し合いが持つ必要が出ます。

客観的な情報を、改めて聞き出していただきたいと思います。

状況からどんな検査がいるのか、どんな検査をしていくべきか、そして、病態把握の為、どんな問診事項がいるのか、等々、ここでは述べることが出来ないぐらいあるかと思います。

そして、聞き出してください。
次に、どんな検査がいるか、説明をお願いします。
ここは、ドクターが、逐一説明する必要性はないものと考えます。

君たちは、コーメディカルスタッフは、患者を管理する側で、ドクターは、患者を処置する側という、水平分業の立場におるわけです。

君たちが、しっかりと説明をして、どうされるか判断を患者に仰いでいただきたいのです。
検査が終わり、君たちの情報をアセスメント化していただいて、私たちドクターは始めて、関連図に入ることが出来ます。

何故、このような形を取らないといけないかといえば、簡単です。

今、現在、我々の生活の場の歯科界は、保険病名と実際の、臨床病名には既に、乖離がある事実が出来上がってしまっている側面があり、そのまま現場が受け入れている事実があること。特に、噛み合わせのジャンルにはそれが特に、顕著であること。とすれば、それは、非常に危険性をはらんでいることになります。

次に、検査が、保険の枠を、既に超して存在する以上、治療契約、治療同盟を構築する為には、正しく、情報を共有する必要性があること。

保険の検査では、保険病名をつける義務が、私どもにはあります。

しかし、保険外の検査においては、保険病名の病名がつけられる場合、そのまま、適応をしていけばよいと思います。しかし、既に、その枠を超して存在している病名には、正しく、その病名を、我々の先輩たちが、見出した、病名で、その存在を、しっかりと把握する必要性が出てまいります。

医科の先生たちが、さすがだなって思うことは、その存在を越した場合、必ず、その病名をつけ、患者に渡すことをしていることかと思います。

制度の違いがあり、一概に導入をしていないことを、私どもは卑下する必要性があるとは思いません。むしろ、先輩たちが置いていった言葉をしっかりと、調べ、患者に与えてあげればよいかと思います。

そして、彼らが把握できない場合、彼ら自身、こういった手法にて、導き出す、つまり、地図を描くという作業をするのです。私たちも、それをして、正しく患者に伝えればいいのだと思います。

医科の世界では、君たちが見ている、私どもが扱っている症状に罹患している患者の一部には、筋繊維症という名前を与えることになる方々も存在するようです。何故、このような遠巻きの言い方をするかといえば、私は、その基準では、審査・診断をしていないからです。

ただ、この、病名のすごいところは、例えば、顎関節症という、疾患も実は、この病名の中に含まれてしまっている、一ジャンルの病態だということです。既に、ここを着目して、この医科の診断基準で、この病態と戦っている先生もいます。

友人の一人として受け入れてくださっているみたいで、私には、誇り高いです。たまに、連絡を取るのですよ。

私も、この見解には、詳しくは、勉強をしていないのでという断りを入れさせていただきますが、実は、噛み合わせと、この筋・繊維痛症は、大きく関わっていると思います。

ここで、理解していただきたいことは、さすが、医学部、頭がいいやでは、無いです。
逆に、彼らは、噛み合わせなんていうものを、分かってはいませんから。でも、それは、専門分野が違うから、仕方が無いかと思います。

また、時代が変われば、分かりません。このことわりを予め、入れておきますが、この、先んずる目を持った先生のように、歯科も当たり前のように、この診断基準になるのかもしれません。

病名が無い人間たちに、病名を与えることの出来る事が、どれだけ、罹患している方々の福音になるかです。

顎関節症と、噛み合わせの異常と、体の愁訴は、その言葉の定義上、一切、関連性はありません。いいですね、覚えて置いてくださいね。

ここを、しっかりと理解してください。ここからが、大事なのです。

我々が見ている患者の訴えは、残念ながら、保険病名には、無いものが正直多いです。

では、どうしなければならないかだと思います。
でも、改めて、言いますが、病名が無ければ、あるいは、病態把握が無ければ、決して、前には進めないのが、治療です。

私自身、学んだ(保険病名ではないですが)病名で、ずーっと、治療をしてきました。
その成功率は、統計を取ったわけではないですが、相当に、高いものと勝手ながらに自負しています。

ですが、この高い、低いなどは、正直、どうでもいい話かと思います。

問題は、治せずに悲しい思いを、させた患者がいた事です。
何故なのか?

それだけです。
私が、悩んだことは、その系の患者が、訪れたとき、10人来れば、4人は、後の2人は、賭けだなって思っていた時代もあります。

次に、6人までは行ける、後2人は、何とかなるか、でも、あと、2人は・・・

そう考えていました。

今は、不思議がらないでくださいね。あきらめたわけでも、自暴自棄になったわけではないのです。

あんまりそんなことは考えていないです。というよりも、怖さを感じず、ただ、当たり前に、当たり前のことをすればよいと考えるにいたっています。

その秘密は、病名と診査、診断にあったと今になって考えます。難しい方もいます。でも、問題点が分かれば、次に、どう導けばいいか、分かるじゃないですか?

昔、噛み合わせの治療で悩んだとき、ある先生に言われました。
僕は、10年、かかって治したことがある。
治せなかったこともある。
でも、その運動を続けなければ、仕方ないのじゃないだろうか?

そんな話でした。

それが、ライセンスの持つ意味ではないだろうかって。

患者の声を聞くこと、難しい患者ほど、正しい訴えをするのだから。
それを、頭で否定するのではなく、受け入れてごらんなさいと。

相当、話が横道にそれました。

で、考え出したことは、昔触れた話に戻りますが、構造が歪んでいる事と、訴えを、そして、考え付く検査を全て織り交ぜて、導く方法は無いかということだったのです。

なら、医科の人間がどうやって、病態を把握して、導くのだろうと、調べて、歯科的な方法として導いたのが、アセスメントか、そして、関連図なのです。

さて、ようやく、この目的を、伝える手前まで来ました。

次回は、もう少し、アセスメント、関連図をどういった位置づけで、そして、如何に病態把握まで、導くのか、そして、君達、コ・メディカルスタッフに活躍してもらいたいか理解していただきたいと思います。

この病態を把握する方法は、色々とあります。しかし、ドクターとスタッフで、次に、何を聞き出すか、正直、大事な思案どころに、なると思います。できれば、ここで、ポイントになります。

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