1)昔
昔、小劇を焦がれた時があります。ま、30年ぐらい前の記憶。どれぐらいの情熱が無責任な碧い頃、有ったのかは正直分かりません。
【宇宙で眠るための方法について 序章】確かこんな題名だったような気がします。今は解散してしまいましたが、第3舞台の舞台でした。
最後の長ゼリが、すごいインパクトを当時のあっしに渡したように覚えています。ただ、断食芸人の話を何かを暗示させるが如くつらつら綺麗な言葉で述べて終わった。そんな世界でした。
今もって、あのセリフの意味は分かりません。文章もシナリオ等を持っている訳でもありませんから思い出そうにも思い出せません。
ただ、断食芸人の芸について語っていたように思います。食べずただ居る。その存在を気が付く聴衆は途中からその体のやせ細りぶりを感動します。でも、それ以外何もせずただ、やせ細っていく芸人から聴衆は離れ、そして忘れ去られていく。
でも、断食芸人はただ断食を続け、それを続けていく。
そんなある時。
彼はある人に問いかけられ、答えます。
「誰も見ていないときに、こっそり食べてもばれないではないか?それだけやせ細っているなら多少食べてもばれる事はあるまい。その方が、またあなたの存在を気が付き聴衆は感動を覚えるのではないか。」
彼は答えます。
「ばれる、ばれないではなくこれが私の仕事だ」
芸人はやはり食べずそしてその存在がいつしか消え、人々の記憶からも消えていく。
そんな事を、何かのモチーフにしたく作家は書かれたのだろうと思うのです。そのモチーフの先の世界観は、未だに謎です。
そして、それで良いと30年後のアッシは思うようにしています。
2)口という器官の担当機関の不思議さ
そういえば、口という中にある歯はあっしら歯科医の仕事。で、これは三叉神経が担っている。
で、この三叉神経。姿勢制御に結構、関係する。で、これは医科領域の仕事だったりする。
ここにある種の不可思議さがあると思うのが、小劇に感動した当時から数えて30年後のアッシ。
別に個人の感想ですからどうでも良いのですが。
ただ、目の前に展開する現象で、手の長さが変わる、頸の長さが変わる。こんな事を計測するようになってから結構、知るようになる。
これは、結構胃が痛くなります。
医科界から身体と歯は関係ないと公式発表があれば目の前に拡がる現象は気のせいで済まされる。
歯と身体が関係あるなど、可能性はない。と、歯科と医科を分けた国が公式に発表して頂ければ最高な状況と思えてしまいます。
もし仮にアッシが見ている現象が真実なら、この真実からは通り過ぎたかったと今もって思います。そう、気が付かずに通り過ぎたかった。通り過ぎるべきでした。
3)まさか ね。
この神経戦、まさか自分の肉体に怪物が襲ってくるとは思いませんでした。
食べる量もとくに減っていません。減らしていません。
でも、この2週間で10キロ痩せちゃいました。今年始めから見れば13キロですが。
ま、デブが太り気味になる事は良いのでしょうが、如何せん1週5キロずつの減少はたまりません。
何か贅肉が減って来たなと、ヘルスメーターに乗った時に“あれれ体重が減っている”と気が付きます。もう2キロ減った時には標準内に納まってしまいます。
見事な中年太りが、急速に痩せる。
頸を戻す、こんな表現を用いたく思います。この現象を目の当たりにする時。
一人の人間の精神は相当に参るようにこの頃は思い始めています。
これを続ける時、アッシは持つのだろうか?
でも、続けないといけないのだろうか?
この緊張感というか、恐怖は、そう恐怖です。本当に恐怖です。この恐怖との対峙の仕方が見えれば見えるほど、体重は減っていきます。ホンマカイナ?と自問自答を続けるも、10キロ分贅肉がなくなった腹を見ながら、ホンマなんだろうと妙に納得します。10キロの減少は、妙な衰弱を自分に渡すから面白い物です。食欲も何故か、ここ数日減衰している気もします。まさかね、と言い聞かせていつつも、恐怖は早々、去ってくれはしないようです。この対峙の情動に、アッシの身体は正直に反応してくれているようにも思います。
その時、断食芸人の話を思い出した。そんな話です。
セリフは確か。
断食芸人の事など、いつしか誰しもが忘れてしまった。始めは興味を持っていた人も、彼が動かなくなっていき反応しなくなると一人去り、やせ細った身体への鑑賞を耐えられなくなると一人去り、いつしか彼のいる檻には誰も近づかなくなった。その彼がいただろう檻に、そもそも誰がいたかも人々は忘れ去っていった。ある時、そこには断食芸人がいた事を思い出した僅かな人も、檻にはもはや彼がいない事を確認する時、彼への興味を急速に失っていった。
でも、彼は確かに生きた。断食芸人として生きた。それだけは真実だったのです。
そんな感じのセリフだったように思いだします。
歯と身体が関係あるにせよ、ないにせよ世間には何ら関係ない。そう思います。
でも、それで済ませて良いのか?そんな事を静かに考えている訳です。