■2013/11/07 今の所の　独白
臨床と言う現場はドラマを見たくなくても、ドラマを見ているのではと錯覚に陥る時があります。
いえ、ドラマを見ていると誇りたい訳でもありません。只、まさしくドラマだよな～ッて、思いたくなる時があります。

中々、治療が終わらないと申し訳なく思う時があります。
唯、ふと振り返ると、治療が終わって定期的に、いわゆるメインテナンスの患者が毎月３０～５０名ぐらいいらっしゃるので、全く終わっていないという訳ではないのでしょう。
別に、メインテナンスに対し特別な配慮をしている訳でもありません。必要であれば、御来院されてチェックを受けてください。不要とあれば、あるいは、相性が合わないとか、タイミングが合わないというならば、寂しいですがそれも現実、ご自身の必要な受診活動をされて下さいというのが、あたしらのスタイル。
患者ご自身に連絡もしませんし、必要と思う時、利用されて下さいというのが、治療を終えた方々に対してあたしらが取っている行動です。

きっと、経営コンサルタントが入れば叱られるかもしれないのですが(お願いした事は無いので分かりません)、実際、患者さんの（この表現を選んでいます）意思で良いと思っています。
深くは考えていなかったのですが、いつの間にかこんなスタイルになってしまいました。あまりに病態との対峙にエネルギーを割かれ、考える余裕がなくなった結果というのが実際の話だと思います。

私らのクリニックで治療に携わらせて頂いている人数は、月にならすと１２０名もいません。で、実際の治療にあたっている患者数は、引き算すれば分かると思いますが、６・７０名のようです。多い時で９０名いるのでしょうか？

ですが、この人数で、クリニックはテンヤワンヤで、月にすると２名～４名ぐらいが受け入れられる現実的数字のようです。

内実を語る事自体、恥ずかしいのですが、今日始めて患者の受け入れを断れないかとスタッフに相談してしまいました。
いえ、虫歯とか歯周病とかでお悩みの患者は、歯科医院の数が余っていると言われる時代。沢山の専門クリニックがあると思っているので、実は３年以上前から、消極的にしか受け入れていません。
顎が痛いとか、顎や咬合にお悩みがあられると訴える方のみ受け入れるようスタッフには指示をして来ました。そのように、クリニックのスタイルを決めていました。と言うのも、開業当初から気が付けばそんな方ばっかりにクリニックの病態対峙のスタイルがなっていたので、徹するしかないと腹を据えたからだと振り返ると思います。

実は、何度も多くの歯科クリニックのように、虫歯とか、歯周病を扱うクリニックになろうと試みてきた事はあります。それも、どうやら叶わないと理解した時から開き直ったという方が近いと、あたしの感覚では思います。

こんなに神経を使うと思いませんでしたし、そんなトレーニングを受けてきた訳でもありませんし、身体の知識は独学で会得した方が多いのかもしれませんし…
と気の弱い話をしても仕方ないのですが、そんな経験をしていると、お医者先生とタッグを組めたら素敵なのかもしれないと思うあたしも生まれます。

そんな具体的なお話をどこかで触れたく思います。

唯、顎位は魔物と思います。適応するという人の力も素晴らしい。時間軸の経過と共に遅発的に緩やかに症状が出る場合もあるし…適応障害及び、代理・補償の能力のお陰なのでしょうが…

その何かが目の前で消える瞬間や、消えていく過程、それらの過程で患者と共に闘う現場。人みしりで、気の弱いあたしには、時に、患者に引っ張られる事がある始末。まさに、“様”あ無い（ざまあない）事すら経験します（させられます）。

そんなあたしも背負っている重さに耐えられないと思った時、スタッフについ、断れないだろうか？と、相談をしてしまいました。

スタッフの判断は、苦痛度合いのひどさに、受診の期待に答えてくれたようで、恥をかかずに済んだようですが、あたしも資格者といえ一人の人間です。心が弱くなれば、弱い事を言ってしまうようです。
と同時に、クリニックの責任者でもあります。今月終了予定の（病態が改善し、最終補綴を入れれば終了の）患者を終えられない限り、クリニックのキャパスティーの関係で、ご連絡を頂戴しても期待に添えられない場合があるかもしれません。

そんな現実も、お調子者の戯言として受け入れて頂ければ。

人間の身体は素晴らしい。その素晴らしさの前にいつもあたしはたじろぐ。ついでに、今は心が弱っているせいか、ガップリ寄つに組める新しい能力は、相当に落ちているようです。

参ったな。
と、落ち切らない所で、おしまい。