■2013/12/10 才能がない側から見える科学の世界(多分ね)
“膝が痛い、朝起きると上手く歩けない等々”、なんていう事をおしゃっていた患者の補綴治療の臼歯部サイドがようやく落ち着いた。後は、アンテリアルガイダンスとしての前歯の位置関係を補綴処置して、終了と言う運びとなる予定。後、数回という所まで、来た筈かな?なんて事を思いつつ、始めていこう。
問題は、何をしたか?ここに大事なキーがあるのでしょうか。“咬筋のバランスを整えた”と、一言で済ますならこの表現が一番適当かと思います。
ですが、お仕事をお引き受けするまでは、あたしの中では相当に葛藤していた事をこの段階まで来て、何故か、不思議とリアルに思い出されました。詳しくは記述しませんが。
歯科ですから、歯科治療以外、あたしは基本考えません。でも、口も身体の中のパーツの一部。身体と関連ないという世界観に立つ事に無理があるという立場を取っています。身体と関連しているという価値を持っているという方が適正なのでしょうか。
読み手の方に知って頂きたい事があるとすれば、では、その価値が反映する治療とはどういう事なのか?多分、この1点が大事なのではないかと思います。
実は、とても難しいと個人のあたしは思います。
確認をします。咀嚼する際、神経・筋活動が活躍します。反射活動が存在する限り、身体と口は関係ないと考える方が、科学としては無理がある気もします。どうでしょう。なるほどと、単純に、科学という土俵で考えるべきと理解を示される方がいらしたとします。では、実際の治療となるとどうなのでしょう?ここに一つ隠された鍵があるのでしょうか。
この方の立場になれば、いわゆる転院をしてきたというのが正しいのかも。何気に動機を聞くと、矯正して、インプラントをしながら、歯を治せば、食べられるようになりますよ。と言われた。表現にすれば、こんな所だと思います。あたしらの仕事は、基本大工作業と認識していますので。でも、患者は考えます。矯正は、月一来る専門医が行う。これは、一つの方法です。インプラントは主治医が行うと言われます。
患者は考えます。矯正は別の歯科医が行う事は受け入れられても、一連性があるのだろうか。一連性が無ければ上手くいくか、不安になる。そんな感じです。
そして、聞かれたそうです。どうやって、一連性を行うのでしょうか?矯正は矯正の先生が行って、インプラント等は主治医が行うという返答を返されます。
じゃあ、あたしの所は?インプラントは外注です。で、そう言う意味では一連性があるのかと問われれば同じと思います。
では、何が違いとしてあったのだろうと、そんな会話をさせて頂きながら思います。
お客様の延長精神の・お患者さま用の、おもてなしの心は無いし…アロマテラピー(?)として香りには拘ってみようと決めましたが、取り立てて違いは無いように思う時もあります。
でも、確実に違う所もあるのだろうなって想像力を逞しくして見ます。
状況が、複雑系の要素が多分にある。そして、観察力を駆使して一連性を続けざるを得なかった。その中に、技術体系としてのそれぞれのパーツを一連性につなげた。そんな所になるのでしょうか?
例えば、科学の一側面に知識の深化と拡大があるとします。あたしから見ると線維筋痛症の重症の方や、慢性疼痛の重症の方の場合、頸をどちらに向けても奥歯の過剰接触が、継続的にある。で、その度合いに関して、結構、本人は気が付いていない場合がある。何をもって重症と言うかは、難しい所ですが。
多分、こんな観察を続ける事に一連性があるのかもしれませんね。
そんな事を思い返しました。そんなお話でした。
あたしは過剰接触と申し上げていますが、歯牙接触癖と分かりやすい単純な表現で表されます。結構、ポピュラーになりつつある病名であるにも関わらず、周囲には病気である事が分からず、罹患本人も病気である事を気がつかない場合もあるという特徴があるように思います。
この件を知らずに、歯科治療を行った場合、相当な事が身体に起きる場合もあるようです。(患者から観察できなかった。患者も自覚がなかった等)
この瞬間、患者も歯科医の主治医の先生も、相当に不幸を背負う事になるのでは無いかと思います。不信という物かもしれません。不安と言う物かもしれません。喪失と言う物かもしれません。
才能のないあたしの場合、優良院や名医の先生と違い、経験してその怖さを知ります。
身体と歯は関係ないというセリフは、こんな経験をさせて頂いた側からすれば、もしかしたらお互いを(患者・歯科医)守る為のタブー事項なのかもしれませんね。
知らない歯科医をヤブとか悪徳と単純化する事の方が、もしかしたら単純化しただけで何ら解決には向かわない気がします。科学が知識の深化、拡大を意味する性質のものであるならば、時の流れが解決する以外ないようにも思います。プロパガンダ的一面思考では、臨床の発展は無い。そんな側面も知って頂ければ、きっと良いのかなって思う次第です。
プロパガンダである限り、発展は無いでしょう。そうあたしは思っています。
人間の身体は素晴らしい。その前で、いつもあたしはたじろぐ。
報告
1月15日 より 新患を受け入れする事としました。尚、すぐに予約が取れるという訳でない事は、合わせてご了解ください。
来年、一度、たじろいできた内容の数々の幾つかの現象を公として検証されたく考えています。
おしまい。