そして、話は勢いよく続く。
“もう頭きましたから、言ってやりました。先生、国内でもそうでしょうが、幾ら開業資金いると思います？何バーツですよ。いや、見えないなら事業計画の下、幾ら円がいると思います？聞いてやりよりました。もう、参ったのは、答えられません。仕方ないので、紹介しました。それが、マチャンですわ。”
ちょっとトイレ、と言って、クーさんは、席を断つ。
堰を切って話し始め、堰を切って動く様は圧巻だった。
ウチャンに思わず、聞く。
『あの人って、いつもああなのですか？』
「そうです。ああいうヒトです。ああいう人もいるって先生理解した方がいいですよ。」
勝手に思い始める。関西人は何があっても受け付けないというヒトが確かにいた。確かにあの勢いは、独特の大阪弁は、心の準備が無いとどうにもならないのかもしれない。それだけは、確信をした。
そして、戻って来ます。
“えーっと、どこからでしたっけ？”
「紹介をしたという部分からだと思いますが…」
“そうそう、それで、マッチャンを紹介したんです。”
もう、すぐに話が切り替わる。勢いある大阪弁の熱に負けたのか、ふと、思わずクリニックを窓越しに改めて覗く。
モヒカンはおりました。あの筋肉質の兄ちゃんは、彼女を待っているのだろうか？歯科治療を受けている彼女を待っている？しかし、まあ、時間結構かかるわね？待たされているのかな？
それとも、もっと、別の病気かね？
しかし、違和感を漠然ながらに感じる。
といいながらも、クーさんの独壇場は続く。
“嫌、結局＊＊＊先生、こちらで開業資金を調達する訳ですわ。”
詳しい事を聞き逃してしまったから、よく分からないが、国内から大金を持って来られないのか、あるいは、資金繰りの関係かは、よく分からなかった。
ま、規制はあるわねと、勝手に合点をするしかなかった。興味も無いし…
