咬合異常の低位について書きます
2022/08/22
Saburinaです。 前回の続きです。
1)咬合異常のうち、低位と呼ばれる現症、当院での場合
咬合位の異常:偏位・高位・低位
今回は低位について紹介したく思います。
1つ歯科治療における問題と言うか、課題と言うか命題というか、そんな口腔の生理学的特性(性質)を紹介したく思います。
専ら臼歯部にあらわれる現症ですが、1つ生理学的側面に 適応性筋短縮 という反応があります。
どーいうことか?
歯がすり減る(摩耗した)場合、私達生き物である人は、それでも歯が当たるよう、担当する筋の長さを短くさせて、その目的が叶うようにさせます。
これが臨床でどのような問題が現れるか?
高径が不安定あるいは不安定な顎位の状態になる時、その状態のまま、治療が継続してなされると、結果として奥歯の高さが治療前より低くなる可能性が高まります。
この症例は、この低位のせいで顎関節症になってしまいました。歯が原因という意味で捉えるならば、歯原性の顎関節症と呼ぶべき存在なのかもしれません。
この高さをどのように戻すか。
ここに臨床の課題があるのでしょう。
2)適応性筋短縮に関し
歯を削れば、適応性筋短縮という生理反射は起こりやすい。これに対し、当院では常日頃、この防御反射が起こっても、速やかに対峙するよう注意を図っています。
生理反射であるが故、起きないではなく、起きてしまう。起きてしまう反応であるならば、どのように対峙するかが大事なのではないかと。こんな風に私は、捉えています。
そう捉えるならば、臨床現場で、歯科医達の工夫は大事になるのでしょう。
いえ、もしかしたら、工夫ではなく、その行為自体も、本来は治療行為の位置づけに置かれるべきではないかと、現場に浅い身でありながら考える事もあります。
ですが、今の所、生理学の教科書では、適応性筋短縮という存在は知られていても、実際の臨床現場では、この存在が無視されているのが実態のような気もしています。
どうなのでしょう。
3)生理学反射は大事すべきものか、あるいは、関係ないものとして扱える!
例えば、必要であれば全身麻酔の下、1日で虫歯を治せますとか、お忙しい方の為、通院回数を減らし、まとめて治療を行いますとか、そんな謳い文句を目にすることがあります。これは、私が興味を持ってネットサーフィンをした結果、知った情報です。どこまで信憑性があるかは、私には分かりません。
歯の治療に生理反射がなければ、この考えは一切、否定されるものではないと、院長の受け売りになりますが、私はそのように理解しています。
ですが、仮に生理反射が存在して、それを確認しないまま、事を始めたとする。仮に、生体の持っている防御機構が、危険サインを認識し、その反応が生体内に起こり続ける場合、それは、とても悲しい問題を生じさせるかもしれません。まさにことが起きた。こんな言い回しができる場合が出てくるのかもしれません。
一個一個確認しながら、治療にあたる行為と、いそいで当たる行為。どちらも、臨床の世界ではありなのでしょうが、生理反射が存在するという立ち位置で見る場合、一つ一つ確認できる方が、安全性は高まる。そんな捉え方をします。
むろん、全身麻酔をしないといけないケースを、ここで否定したい訳ではないこと。必要なものは、相変わらず必要です。これは、どうぞ、承知してください。
少なくとも「忙しいから」、「嫌なことを1回で終わらせられる。」この目的のために、人に備わっている大事な機構、「生理反射という異常を感知する力」を捨てて、後々に、私の身体に何が起きたのだろうと、パニックを起こさない為の知恵。そんな程度に、知っておかれると良いのかもしれません。
慎重に考えて、損はないよという話でした。
Saburinaが報告しました。
~風の便りとしてお受け止めください~
これは、当院の記録を私なりの解説を試みているだけで、正式な考えとは思わないでください。
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