仮歯って?
2023/09/08
1)技術の紹介をする前に
Saburinです。多くの歯をいっぺんに変える。それも1回で変える。そんな事が出来るのだろうか?こう捉えられる方もおられると思います。
実際、私もここで働く機会を得るまで同じ感覚でいました。
そこで、別の症例を紹介しながら、私なりの解説を試みたく思います。
そういえば院長は、この頃「『人を診て、口を診る。』この響きは好きだけれど、俺は、そんなたいそうな人間じゃないから、そもそも技術が無ければ、口が診れるのかと思う類の人種なんだよね。でも、この言葉は大事だよな。」そんな言い方を私達にします。
彼は、何を診たのだろうか。ふと、別の例を出す前に私は思います。
2)別の例から
例えば、何本かの歯に対し同時に形に拘らないと行けない時。
私ども歯科の人間は、まず1本ずつ変えていく。そして、変えた全部の歯を一斉に、完成に近いと思われる仮歯にする。そして、“良し”が出たら、本歯にする。こんな捉え方が一般的なのかと私は思っていました。
歯科の用語を用いながら、記載を試みると、こんな感じでしょうか?
①治療する歯を決める
②その歯本体(この場合、被せ物)の除去(外す)
③順次、テック化(仮歯化)
④支台歯形成を終えた歯を一斉に型取り(印象)
⑤プロビジョナルレストレーションに移行
⑥問題が無い事を確認したら、最終補綴へ
ここで、幾つか言葉の説明の補足を行います。
プロビジョナルレストレーションとは?
〇1974年、日本に初めて「プロビジョナルレストレーション」という概念が紹介されます。
〇従前は、最終補綴が装着されるまでの間に支台歯に装着される磛間的な修復物を「temporary crown(テック、TeK)」と表現していた。
〇新しい概念の導入は、最終補綴物装着までの単なる「仮歯」ではなく、最終補綴物への移行期間として歯周組織などとの調和や環境の整備を図り、最終補綴物に向けて総合評価を行う歯冠修復物「プロビジョナルレストレーション」が臨床に取り入れられる様になる。
「テンポラリー(temporary)」が「磛間的な」「仮の」を意味するのに対し「プロビジョナル(provisional)」とは「provide」(準備をする)という意味をもちます。つまり最終補綴物がより望ましい形態で、そしてよりよい環境下で装着されることを目的とした、修復治療の1つの段階としての修復物が「プロビジョナルレストレーション」になります。
どんな役割がプロビジョナルレストレーションに求められるのか。
プロビジョナルレストレーション装着期間中は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士がそれぞれの専門的視点から経過観察と評価を繰り返し行う。プロビジョナルレストレーションの役割は以下の通り。
プロビジョナルレストレーションの役割
●歯髄、歯質の保護
●機能の回復
●審美性の回復
●歯の移動防止
●支台歯形成の状態と削除量のガイド
●欠損補綴の支台歯決定のガイド
●清掃性の評価
●咬合の改善と安定
●スプリンティングの範囲とデザインの決定
●咬合採得の指標
●矯正治療への利用
ここで、紹介した役割の内、これに着目をして頂くと意味合いが取れるかもしれません。
審美性の回復支台歯形成の状態と削除量のガイド、歯肉の反応の評価、清掃性の評価。これを予め作れないか、こんな発想をする訳です。
これが、プロビジョナルを意識した予想支台歯テックの考え方になります。
目で見て頂く方が、理解促進の上では早いかもしれません。
3)予想歯台歯テック
予め、言うなればバランスを整えた仮歯を構築し、それに合うように口腔内で合わせる。こうする事で、どう直せば良いか課題が見える。こんな表現で如何でしょう。
術前
術後 荒川
こんな方法を選択する事で一遍に治療する事が出来るという訳です。院長が言う所の、
「そもそも技術が無ければ、口が診れるのかと思う類の人種なんだよね。」この意味を、何となくですが、私が捉えた瞬間もしれません。
サブリナでした。
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