筋肉の不思議 そこから醸し出される低位の意味合い?
2022/07/12
例えば、適応性筋短縮という用語がある。
別に難しい話ではない。理由は別に、補綴治療を行う必要が生じたとする。
この言葉の意味は、歯が本来あった場所からいなくなって、結果、概当の筋肉が適応すべく短くなる状態をさす。
これの持つ意味は、本来の状態より低い咬合状態になる事を意味する。
私達の動物としての本能としての機能と言えば良いのでしょう。
ここで、教科書を大事にする臨床家は2つの事を考えるのでしょうか。
☆1つは、削る前の状態に、何とか戻す働きかけをする。
☆1つは、咬合時のメカニズムの再現をどう働きかけるか。
こんな所だと思います。
何故、こんな事を考えるのだろう。あるいは、そんな事、気にする必要はないだろうと考える読み手の方もおられるかもしれない。
ところが、臨床家にとっては、それは時に一大事を意味するのかもしれない。
どういう事か。
身体を起点に、適応性筋短縮が起きてしまった場合の、当院の考え方を紹介したい。これにどう対峙しているか、それとは違う。
削った事で、上下間の歯冠高径の高さが変わる。治す前より、低くなる。
こう表現をすれば良いのだろうか。
この時、顎はずれるかもしれない。
この顎ずれに対し、体勢の維持を保つために、身体を歪ませて姿勢の担保とする可能性があるのかもしれない。
歪む結果、姿勢制御機構に無理が生じ、凝りが生じるのかもしれない。
凝りで済めば、まだ、ましと言う捉え方もあるのかもしれない。
これが、痛みに代わる場合がある。これは、相当に、厄介な代物である事を、我々は知っている。
では、口腔内では、何が起こるのだろう。
咀嚼の運動パターンが変わる場合がある。
理想形に向かうなら、何ら問題はない。
ですが、実際は、理想形から離れる。
離れることで、他の歯牙がさらに問題にさらされる場合があるかもしれない。
ま、風の噂の話と受け止めていただくとして、当院の症例から、私が感じた事を続けたく思う。
良ければ、お付き合いいただきたい。
こんな絵(下段)から、噛み合わせを大事にしている臨床家がどんな事を更に考えるのか、今一度整理をしてみたい。
2つのバイトをここで紹介したい。*バイト=嚙み合わせを印記したものとなる。
同じ症例のバイトになる。
従来(保険のsystem)のとるバイトと、工夫して導いたバイトになる。前者をパラフィンワックスによるチェックバイトと呼ぶ。
工夫して導いたバイトは、姿勢位を利用し取り込んだマッシュバイトとなる。*毎回、この手法を選択する訳ではない。
厚みが違う事を確認してもらえば、それで十分である。
この症例は、実は顎関節症の患者の補綴の高さを決める際に、院長はマッシュバイトを選択する。
その後、何かを思ったのだろう。チェックバイトを患者の了解の下、院長は採得する。
そして、比較を行っていた。
患者は、保険と保険外の差異をしつこくクリニックに対し尋ねられていた。院長は技術の差と捉えていただける方が
よい。彼は、この言葉を好んで使う。多くの患者各位は、物に対し保険が利くか利かないかと判断を求める。
その度に、院長は技術の差と答えている。
基本1960年代の技術背景を組み込んだ保険制度と、そこから、更に発展した技術背景では使う道具も、材料も
違う。この事実を書く以外、表現のしようがない。
ただ、読み手の方には想像をしていただきたい事は、下記の通りとなる。
これから作成する予定の補綴に対し、歯科医が与える高径の差異の意味は何をもたらすだろう。
治療の一環として、歯科医は高さの補正が求められた。技工作業に、適正な高径情報を渡すため、そして、
治療として高径を決めた。
この技術は、1960年代のものでなかった。院長より、その事実を伝達される。
*法令順守の下、当院では保険の規定から外れている技術は、保険外として扱っている。
そして、顎の痛みは、もはやない。
院長に私は確認することがあります。
この頃、嚙み合わせの重要さを謳っているHPを見かけます。どれだけ大事にしているのでしょうか?と。
彼は答える。
「少なくとも、その研究している学会の参加人数が増えているとは、私には理解できていません。」
「専門性を訴えるなら、一番手っ取り早い方法は、学会に参加し、情報を得る事と思います」
私は、歯科界に身を置いて数か月の身でしかない。
嚙み合わせの大事さを訴え、学会には参加していない?個人的には意味が分からない。
専門性を訴えるなら、日々の研究は勿論の事、学会から情報を得ようとするのは、当然なのではないか。
素人ながらに思う。思わず彼に尋ねる。
「それにも関わらず、何故噛み合わせの大事さを訴えられるのでしょう。」
「うーん。分からない。そのクリニックが専門性を謳うなら、学会には動機は別に参加すべきと思います。知った事、確認した事を臨床で活かす事、これは臨床家にとっては大事な事と思います。同時に、専門書を改めて見直す必要もあるでしょう。多分、俺も含め、仕事として本能的に大事と思うから、伝えたい歯科医が大事だと訴える。そう理解しないと、仕様がないんじゃないかな。」
そう言って、彼は現場に戻った。
Saburinaより報告でした。
~風の便り程度に受け止めてください~
これは、正式な考えではありません。
むしろ、当院の記録の一部でしかなく、私のフィルターを介し、記録の解説を試みているブログです。
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